4月16日(火曜日)に春の植物観察会が行われました。
昨年度に引き続き、講師は加藤裕一先生です。
この日はちょうどヨシ焼きが行われてから1ヶ月後の開催だったため、
ヨシ焼きの効果を確認しながら史跡保全ゾーン周辺を歩いて回り、植物を観察しました。
左がクヌギ、右がコナラです。
クヌギはどんぐりの仲間の中でも花期が早く、4~5月中には花を咲かせます。
既に木全体が黄色く色づいていました。
一方でコナラはまだ芽吹いていません。また、よくご覧いただくと右側にだけ枝が伸びています。
これは、左側にヨシ原があるため、ヨシ焼きの影響を受けこのような成長の仕方になっています。
史跡保全ゾーン周辺にまとまって黄色い花を咲かせています。
花に近づくと独特の香りがします。
日光を良く浴びる為に、
まだ他の植物が伸びていない3月中に芽吹き、4月には花を咲かせます。
花をよ~く見ると「花びら」と呼ばれる部分は無く、花の周りの葉が黄色くなっています。
地中で根をつないで広がっていくユリ科の植物です。
4月~5月頃下向きに咲く白い花を咲かせます。
日当たりの良い場所に自生するため、ヨシが群生しているような場所ではなかなか見られません。
環境省レッドリスト種(絶滅危惧2類)に登録されている非常に希少な植物ですが、
春の渡良瀬遊水地では一面に多数の個体が見られます。
このような景色が見られるのは、日本でこの渡良瀬遊水地だけです。
右下の写真は少し見づらいですが、黄緑色の箇所がトネハナヤスリ、濃い緑色の箇所がアマドコロです。
この時期の渡良瀬遊水地は非常に見晴らしがよく、緑色の濃さで、どこに何が生えているかを判別できます。
ヨシ原を歩いていると、クルミが何個か落ちていました。
しかし、よく見てみると全てに穴が開いています。
これはアカネズミが固い前歯で殻に穴をあけ、実を食べていた跡です。
観察会の参加者からは、ネズミ等はヨシ焼きをどう乗り越えているのか?という声が挙がっていましたが、
ヨシ焼きは地表の枯れヨシだけ燃やしてすぐに鎮火するため、少し地面に潜ればほとんど影響がないそうです。
バラの仲間で毎年5月頃に綺麗な花を咲かせます。
つぼみが確認できるので、5月が楽しみですね。
花が咲くと、香りが非常に強く沢山の虫が集まってきます。
渡良瀬遊水地では谷中湖の周りなどで確認できます。
公園や道端などでもよく見るホトケノグサですが、これだけ集まって咲いていると綺麗ですね。
花には甘い蜜が含まれているので、小学生の時にはよく蜜を吸っていました。
今回の観察会報告は以上です。
つぼみ状態の植物が多く観察できましたので暖かくなってくるこれからが楽しみですね。
5月も植物観察会がありますので、興味のある方は
アクリメーション振興財団(0282-62-5558)へお問い合わせください。
※植物の観察はルールを守って行いましょう。