10月に日本に上陸した台風19号は各地で甚大な被害をもたらしました。
被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。
実は、今回の台風で渡良瀬遊水地の治水機能が大活躍したのよ。
総貯水量の約95%に相当する約1.6億立方メートル(東京ドーム約130杯分)の水を溜めて、下流域の被害を最小限に食い止めたの。
平成27年の関東・東北豪雨の時に溜めた水の量が約1.07億立方メートルと言われているから、いかに今回の台風がすごかったかがわかるわね。
それでは、今月は渡良瀬遊水地がもつ治水の機能について改めてお話しするわね。
そもそも「遊水地」というのは洪水が起きたときに、川の水を一時的に氾濫させて溜めておくための場所なの。
渡良瀬遊水地は外周のほとんどが「周囲堤(しゅういてい)」という高い堤防に囲まれていて、
洪水時に居住地側に水が溢れないようになっているの。
さらに遊水地内は「囲繞堤(いぎょうてい)」という堤防によって3つの調節池に分けられているの。
ハート型の谷中湖がある所が第一調節池、
猫の顔のような形をした所が第二調節池、
鳥の頭のような形をした所が第三調節池よ。
それぞれの調節池に「越流堤(えつりゅうてい)」という囲繞堤の一部が低くなっている場所があって、増水した川の水を調節池へ流入させる仕組みになっているの。
そして、洪水が収まったら「排水門」と言われる水門を開けて、徐々に川に水を流していくのよ。
渡良瀬遊水地には渡良瀬川、思川、巴波川の3つの河川が流入していて、
さらに4キロメートル下流で利根川と合流するので、利根川を流れる水量も調節しているの。
利根川の流域には日本の総人口の約10%もの人達が住んでいるので、
水害からみんなを守る渡良瀬遊水地の果たす役割はとっても重要ね。
そんな渡良瀬遊水地…
大量の水を溜めた影響はやっぱり大きくて、道路や体験活動センターなどが泥だらけになってしまったの。
今、色んな方が復旧作業にあたっているわ。
安心・安全に楽しめる状態になったら、またみんなで遊びに来てね。
これからの季節はカモ類をはじめとした水鳥や渡良瀬ナイツの仲間のチュウヒたちが見られるようになるわ。
渡良瀬遊水地に関する最新情報はアクリメーション振興財団のホームページ<外部リンク>をチェックしてね!
ハーツより