枯れ色のヨシが、ときに黄金色に輝く冬のハートランド。
ヨシの下では、小さな植物たちが、地下に栄養を蓄え、あるいは地面にタネを落とし、じっと春を待っているの。
耳を澄ますと、枯れたヨシ原の中からカサカサと音がするわ。
私たちには見つけられないような、小さなタネや虫などを探して食べる小鳥たちの音なのよ。
ハートランドは「野鳥の楽園」とも言われていて、
冬の時期にはチュウヒ、ミサゴなどの猛禽類や、フクロウの仲間のコミミズクなどが来ているの。
特に、翼をV字に広げて獲物を狙うチュウヒは遊水地のシンボルバードと言われているわ!
夕方になると上空からヨシ原に降りて来て、ねぐらに入っていく姿も見られるのよ。
観察できる場所などの情報は、谷中湖周辺やハートランド城にいるガイドさんに聞いてみてね。
ところで、渡良瀬遊水地の2つの役割を皆さんご存知かしら?
1!洪水の時に、調節池に一時的に水をためて水害を防ぐ「治水」
2!平地型ダムとして、渇水時にハート形の谷中湖から首都圏へ生活用水などを補給する「利水」
昨年の台風19号の時にも、「治水」の効果を発揮して、首都圏の洪水被害防止に大きな役割を果たしたわ。
そして、現在谷中湖では、「利水」において大切な水質管理のため「干し上げ」をしているの。
実は、平成2年の夏、谷中湖から放流した際にカビ臭が発生し、水の利用に大きな影響を与えたの。
その改善策の一つとして、谷中湖の水位を下げて池の底部を日光にさらす「干し上げ」が始まったのよ。
おひさまの力で植物プランクトンを減少させることによって、カビ臭を抑えているの。
ちなみに、お魚さんたちは、谷中湖の深い部分(水が残っているところ)に移動して、干し上げの間を過ごすの。
湖面は、まるで干潟のようになるので、エサを求める野鳥もいつもより多く集まって来るの。
普段と違った様子の谷中湖を見ることができるから、ぜひ遊びに来てね。
でも、湖面に水が無くても足元が悪くてとても危険だから、絶対に立ち入らないようにお願いします。
ハーツより