災害時の感染症対策
災害時の感染症対策を確認しましょう
地震や大雨などの災害発生時、避難所への避難が必要になることもあります。また市内外を問わず、復旧作業に携わる方々もいます。
避難所は、多数の方が同じところに集まるため、ひとたび感染症が発生すると、感染が急激に拡大してしまいます。また水害時は、高湿度や気温の上昇により細菌やカビの繁殖が起こるだけでなく、感染症も発生しやすくなり、復旧作業の際にこれらのリスクにさらされます。清掃作業時には、傷口や目、喉からの感染にも気を付けなければなりません。
普段から災害時の感染症対策を確認し、覚えておきましょう。スマートフォンなどで、お気に入りやブックマークに登録することをおすすめします。
※災害時でも表示しやすいよう、文字のみのページにしています。
避難所や復興作業時などの、共通の対策
トイレ
- トイレはきれいに使う。
- 下痢や嘔吐でトイレを汚した場合は自分で処理をせず、管理者に知らせる。
- トイレのあとには手を洗う。
- トイレの床のウイルスや菌を居住区域に持ちこまないように、居住区域とトイレで、使う履き物をわける。
食事
- 袋入りの食べ物は、手でちぎって食べたりせず、直接食べる。
- おにぎりを握るときは、使い捨て手袋を使ったり、ラップに包んで作る。
手洗い
- トイレのあとや食事の前には手を洗う。
- 流水、石けんを使って手洗いをする(液体石けんがのぞましい)。
- 手洗い後は、清潔なタオルやペーパータオルでよく拭きとる(タオルの共用はしない)。
- 水が出ない場合は、アルコールを含んだ手指消毒薬を使う(ペーパータオルなどがあればふき取る)。
- やむを得ずバケツなどにくみ置きした水を使う場合は、直接バケツの中に手を入れて洗わない。
換気
- 機械換気があるときは、常に稼働させておく。
- 窓やドアを開けてこまめに自然換気をおこなう(対角線上にあるドアや窓を2か所開けると効果的)。
- 窓が1つしかない場合、部屋のドアをあけて、扇風機などを窓の外に向けて設置する。
咳エチケット
- 咳・くしゃみをするときはマスクを着用し、口・鼻をおおう。
- マスクがないときは、ティッシュ・ハンカチで口・鼻をおおう。
- とっさの時は、袖で口・鼻をおおう(手は使わない)。
災害にともなう清掃作業時の対策
傷口からの感染を防ぐ
予防
- 丈夫な手袋や底の厚い靴などを着用する。
- 長袖など肌の見えない服を着る。
ケガをしたら
- 傷口を流水で洗浄し、消毒する。
- 深い傷や汚れた傷は、破傷風にかかる原因になることがあるため、放置せず医師に相談する。
※破傷風は傷口に破傷風菌が入りこんでおこる感染症で、医療機関で適切な治療をおこなわないと死亡することもある。
土ほこりへの対応で結膜炎や肺の炎症を防ぐ
予防
- ゴーグル・マスク・手袋を着用する。
- 作業後には手洗いをする。
目に異物が入ったら
- 汚れた手で目をこすらない。
- 目を洗浄する。
- 洗浄しても充血が起きている場合は、医師に相談する。
大雨災害などで浸水した家屋での対策
消毒の前に、「清掃と乾燥」が最も重要
- 汚泥は十分に取り除き、しっかり乾燥させる(清掃が不十分だと、消毒の効果を発揮できない)。
主な消毒液
- 次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤でも可)
- 消毒用アルコール(アルコール濃度70%以上のもの)※火気のあるところでは使用しない
- 塩化ベンザルコニウム
食器類・流し台・浴槽 | 家具類・床 | |
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次亜塩素酸ナトリウム |
0.02%に希釈する
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0.1%に希釈する
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消毒用アルコール |
希釈せず、原液のまま使用する
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希釈せず、原液のまま使用する
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10%塩化ベンザルコニウム(逆性石けん) |
0.1%に希釈する
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0.1%に希釈する
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家庭用塩素系漂白剤を使用した、次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方の例
- 希釈したものは時間が経つと効果が減っていくので、使う直前に作りましょう。
- 希釈したものをペットボトルで保管するときは、誤飲しないよう容器に目立つように薬品名や濃度を記入しましょう。
製品濃度 | 作りたい消毒液の濃度 | 水の量 | 家庭用塩素系漂白剤の量 | 備考 |
---|---|---|---|---|
6% | 0.02% | 2L | 10mL |
2Lペットボトルに家庭用塩素系漂白剤を入れて、満タンまで水を入れる |
0.1% | 40mL |
参考情報
- 被災した家屋での感染症対策(厚生労働省)<外部リンク>
- 災害時における避難所での感染症対策(厚生労働省)<外部リンク>
- 災害時に注意する感染症について(厚生労働省)<外部リンク>