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令和元年度「とちぎ夢ファーレ」事業報告(栃木おとなり会)

印刷 大きく印刷 更新日:2020年11月13日更新
<外部リンク>

令和元年度「栃木おとなり会」実績報告

 事業名:みんなの図書館「すいようぶんこ」

団体情報

 団体名:栃木おとなり会

 代表者名:村上 亜希子

 会員数:1名(代表のみ)

 メールアドレス:otonarikai@gmail.com

水曜文庫1
(活動の様子)

この活動を始めた動機(目的)

 もともと子供と本が好きで、子供に関わる仕事や、ボランティア(児童養護施設での学習支援、知的障がい児の余暇活動や外出同行、子育てサロンで子供の見守りや遊び相手)をしてきました。自分の子もよその子も同じ、という考えから、自宅で近所の小学生の勉強を見たりもしていました。

 そんな中で感じたのが、「住んでいる地域で、子供が集まる居場所と見守る大人が必要」ということです。10年、20年前と比べると、子育てに関する情報やサービスは増えていますが、そのことでかえって「ネットで調べよう」「使えるサービスはないか」「こういう子の行くところはここ」「遊びはゲームがあればよい」というように、子供たちが身近な人間関係や近くの遊び場から離れていっているように感じます。

 大人にとっては便利なことです。でも、子供が子供らしく育つためには、自分の行動範囲内で、のびのびと遊んだり時には大騒ぎしたりわがままを言ったりしながら、地域の仲間として共に育つ場が必要だと思います。文庫や自宅を開放することで、地域に学校以外の居場所ができればうれしいです。

 私は本が好きなので、本を身近に感じてくれる子が増えればいいなと思い家庭文庫の形をとりました。大人も子供もゆっくり本を読む時間が減っているので、本に触れるきっかけになってくれればという思いもありますが、まずは「行けば迎えてくれる場所」を心がけながら、地域の子供たちの心身の育ちを見守ろうと思います。

実際に令和元(平成31)年度に行った活動とその成果(結果)

【平成31年4月~令和1年6月】

  家庭文庫の開所準備

  ・自宅敷地内にプレハブ設置
  ・プレハブ内に本棚を手作り
  ・自宅の本や寄贈された本を収める、買い足す(随時)

水曜文庫2
(協力者の助けにより、本棚を作成しているところ)

【令和1年7月~令和2年3月】

  毎週水曜日に文庫開放を始める(年間開放日34日、うちイベント1日)

  学校休校中も自粛はしませんでしたが、来客は少なめ
  本だけ借りてすぐに帰ったり、おもちゃで遊びに母と幼児で来て少し遊んで帰ったりしていました

【イベント】

  7/31(水曜日) 近所の高齢者施設の地域交流室を借りて、夏休みの宿題のポスターをみんなで描く(参加:9名)

 ※10/11(金曜日) お月見をする予定が、悪天候のため中止(続けて台風があり、延期ではなく中止とした)

 家庭文庫とイベントを合わせ、165名の利用がありました(延べ人数)

苦労した点や良かった点(全体的)

【苦労した点】

 もとからライフワークとして好きだからやってきたことを、応募をきっかけに事業としての名づけをし形式を整えることとなりましたが、プレハブを建てるなど話が大きくなるにつれ、賛否様々な意見が聞こえてきました。
 特に厳しい意見に対しては、自宅を開放していることもあり慎重に行動しています。
 新型コロナウィルスの流行下では、人を集めること自体ためらわれます。
 大きな活動でなくてもいいので、ちょっと立ち寄って遊んで行ったり、何気ない話をしたり、面白い本について話したりできる場になるように。自分にできることを細々と続けていきたいです。

【良かった点】

 子供たちが来てくれるというのは、何にも代えがたい喜びです。
 また、文庫を口実に本が好きなだけ買えます。
 本棚を作ってくれたり、本の寄贈・整理の手伝いなどで応援してくれる人たちに励まされています。
 心理と福祉の仕事をしているのですが、仕事では直接力になれない人でも、悩んでいる人がいたら「話聞くから水曜日においで」と言えます。
 いいことずくめです。

 これからの展望

 2~3年は同じように細々と続けていくと思います。

 毎週水曜日の文庫の開放、お月見やお正月など季節の行事・それらを通じた地域の人との関わり、学習支援が活動の中心です。

 一人でやっていると、自分の体調や忙しさによって活動を縮小してしまうので、手伝ってくれる人を探します。

 なお、「栃木おとなり会」という名称なのに一人で活動しているのは、他の地域でも同じような思いの人がいると思うので、それぞれの得意分野や持ち味を生かしてそれぞれの地域の課題に応じた「おとなり活動(地域のための活動)」をしていき、いつかゆるく繋がっていければいいな、という思いがあります。

この団体や事業に関する質疑応答コーナー

この活動に寄せられたご意見・ご質問に対する回答は以下のとおりです。

【意見・感想】・気になった団体は、「栃木おとなり会」です。個人的に、私も同じように家庭文庫をやりたいと思っていた時期があったので、このような活動をされている方が栃木市内にもいることを初めて知り、うれしくなりました。が、ここで初めて知るというのは、とてももったいない気がして、もう少し行政が協力して、市民へのPRがあってもいいのではないかと思いました。

また、この活動は傾聴の働きもあると思います。他の団体には傾聴を活動の中心にしている団体もありますし、横のつながりを持って、一緒に活動をする場があると、こうした活動が広がるチャンスになるのではないかと思いました。

傾聴は、大人だけでなく子どもも必要としています。

家や学校で悩んでいても、話せる人がいないということがよくあります。

ですからこうした場で、昨今よく言われる「斜めの関係」の大人と出会えるといいなと思います。

また、自宅を開放する事への危惧やコロナ禍での利用者の減少などを解消するために、天気のいい日は屋外でお話会などをする「青空文庫」みたいなものもいいのではないかと思いました。

 

【質問】・具体的にどのような図書を購入されましたか。比較的人気だったりよく読まれていたりするもので構わないので教えてください。

【回答】・絵本でもストーリー性のあるもの、児童書、伝記マンガ、歴史マンガ、家庭で買うには高額な大型本(鉄道や世界の国に関するもの)、お月見やハロウィンなど季節の行事に関する本、数学・理科(科学/科学者・化学・地学)の本、子供たちにリクエストされた本など

・人気のもの:低学年には伝記マンガ、ゾロリ、絵探しの本が人気。『ぎょうれつのできる~やさん』『ガラゴ』『バムとケロ』など絵の細かい絵本も絵探しの延長なのか手に取りやすいようです。『となりのせきのますだくん』『14ひきシリーズ』は今の子にも人気で、私も大好きです。中学年~高学年になると、冒険の話が好きな子、雑学や知識が載った本は読むが物語は読まない、女の子が主人公の話を読みたいなど好みが分かれてきます。岩波少年文庫は字が多くて読みたくないようですが、少しずつ増やしています。名作物語も挿絵の多いものなら読むので、絵が想像力の妨げにならないか考えて選びます。例えば『海底2万マイル』のネモ船長は、得体のしれない人物のままであってほしいので、マンガ風に表情が描いてあるものは置きません。

・今年の夏ごろ鬼滅の刃のノベライズ版(みらい文庫)を買った時の反応はすごかったです。挿絵や表紙を真似してイラストを描く子、登場人物の漢字を一生懸命書く子もいました。子供たちはもともとアニメやマンガで話は知っているのですが、目の前にあると話が弾むようで、エネルギーに圧倒されました。マンガは置かないなど決めているわけでもなく、いろんな子がいるからいろんな本があったほうがいいと思っています。

【質問】・「手伝ってくれる人を探します。」とのことですが、一緒に行う人は見つかりそうですか?

【回答】・夢ファーレは単年度事業なので、年度内に協力者を見つけて展開していくのが望ましかったとは思いますが、文庫自体はライフワークとして長く続けていきたいので、誰と何をしたいのか、のんびり考えてやろうと思います。

・「手伝うからなんでも言ってね」と言ってくれる人は複数います。本の寄贈もありがたいです。来てくれる子供たち、送り出してくれる保護者、温かく応援してくださる方が多いです。

・屋外での「青空文庫」をやってみてはどうかとの意見をいただきました。イベント的なことは数名でやる方が話が進むだろうなと思います。一人だと、先延ばししますからね。

【質問】・地域の子ども達の居場所として貴重な活動と思います。賛否両論とありますが、否定的な意見とは、コロナに関することでしょうか?お教えいただければ幸いです。

・コロナよりずっと前、準備段階からです。「今の時代、文庫に人は来ない」「何のためにやるの」「お金があっていいね」など、応援しなくても放っておいてくれればいいのに、口を出したい人が結構いるものだと思いました。宗教等とつながりがあるのではと勘繰られ悲しい思いもしました。そのことを知人に相談すると、「やると決めたのだからそうやって言う人も受け入れないと」と言われ、そういうものなのかと思いましたが、でもやはり、例えば私が何かを主張することで自分の子供たちが嫌な思いをするようなことは嫌だなと思い、あまり大げさにせずささやかな場であることを心がけています。

・当面は本が好きな近所のおばちゃんで十分です。おばちゃんに来客があっても目くじらを立てる人はいないようで、コロナに関してのトラブルはありませんでした。

【質問】・地域の子どもの居場所としてとても期待していますが、運営は順調ですか?何か困っていることや要望などはありますか?

【回答】・金銭面では問題がなく、他の曜日に非営利の塾を行っている収入で、数年間は毎年7~9万円分の図書が増やせる見込みです。仕事の後にしているので、塾を続ける元気があればしばらく収入が続きます。元気がなくなるころには相当数の蔵書になっていることでしょう。夢ファーレでは文庫のみの申請でしたが、塾(学習への目配り)と文庫(自由な居場所)は両方必要だと思うので、両方しています。塾には、百点を取ってくる子も学校で個別指導を受けている子も来ます。お母さんが勉強を見るように、わからないところを教えています。

・文庫の居場所としての実績を問われると、今すいようぶんこを止めても困る子はいないだろうし、心の拠り所のような場所を目指すのなら、まだ何もできていないです。場所があって、人がいて、居場所になっていくのだと思うので、「場所を提供するよ、ここには私がいるよ、誰でもおいで」と言える大人が増えてほしいと、私が社会に期待しております。

・地域づくり推進課および夢ファーレ事業、協賛者様への要望はとくにありません。今までに急かされて困ったということもありませんが、今後も長い目で見守っていただければと思います。

・市や社会全体への希望としては、地区の公民館を放課後の子供の居場所のひとつとして開放し、見守り役がつくようになればいいなと思います。自分で動いたこともありますがうまくいかず、自宅で始めたというのがもともとの経緯です。開催は毎日でなくていいのです。学校以外の場所で、定期的に関わり話ができる関係の大人(中高生でもいいですね。年長で、子供の様子に目配りができる人)と出会える場所があることが助けになる子も一定数いると思うので、試験的に行ってみてはいかがでしょうか。

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