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令和和元年度「とちぎ夢ファーレ」事業報告(栃木県立栃木農業高等学校 農業環境部環境活動班)

印刷 大きく印刷 更新日:2020年11月13日更新
<外部リンク>

令和元年度「栃木県立栃木農業高等学校 農業環境部環境活動班」実績報告

 事業名:新しい時代の道普請~市民参加型のインフラ整備

団体情報

 団体名:栃木県立栃木農業高等学校 農業環境部環境活動班

 代表者名:嵯峨 俊介

 会員数:8名

道普請イベント
(「道普請ウォークin太平山」の様子)

この活動を始めた動機(目的)

2015年9月の関東東北豪雨災害。学校周辺も甚大な被害を受け、二次災害を防ごうと研究を始めた「土砂廃棄物による循環型施工」。翌年には、大学や研究機関と連携しながら、土のうを利用した放置ため池の改修工事に着手しました。

その後、本校に隣接する環境省「関東ふれあいの道」内の整備や自然災害に関するワークショップの開催など、多くの人を巻き込みながら「環境保全」「防災減災」「鳥獣害対策」など、その都度見つかる様々な地域課題と向き合ってきました。

その中で、地域環境保全は行政だけの力では難しいと感じ、かつて当たり前にあった地域ごとの道普請のように、「自分達の生活環境は自分達で守る」というセルフビルドを実施できないかと考えたのが活動の原点です。高校生が主体となって防災・減災・環境保全などの地域協働活動を展開していきます。

実際に令和元(平成31)年度に行った活動とその成果(結果)

林道整備や防災・減災などの地域課題について、ウォーキングや協働活動を通して、参加者全員で「見て・感じて・取り組んで・話し合う」イベント「道普請ウォークin太平山」を5月に実施しました(参加者39名)。
春の太平山を歩きながら、ポイント毎でワークショップを行う形をとり、子どもからお年寄り、一般市民からNPOなどの専門家まで、多様な立場の参加者が垣根を越えて交流できる機会となりました。
ただの林道整備ではなく、それぞれが製作した間伐材人形を設置することで、また訪れたくなるような「居場所作り」にも貢献できたと思います。

台風の影響で2回目の道普請イベントができず、11月の学校祭内で市民向けのワークショップ「里山ワークショップin栃農高」を開催しました(参加者72名)。
市民協働で整備している林道の現状について展示・発表を行い、「木人」づくりにも挑戦してもらいました。
製作してもらった木人は、後日生徒の手によって林道内に設置し、関わった市民の数だけ林道内にストーリーが吹き込まれています。

また、定期的に農業土木科並びに環境デザイン科の生徒によって、太平山内で環境整備活動を実施しました。
令和元年度は、林道の修復や緑化活動、生物や植生などの環境調査を中心に取り組みました。

【活動の様子】

(道普請ウォークin太平山)
道普請1 道普請2道普請3 道普請4木人設置 林道

(里山ワークショップin栃農高)
里山ワークショップ1 里山ワークショップ3里山ワークショップ2

苦労した点や良かった点

活動を多くの市民に伝えることに苦労しました。
イベントの実施に際しては、市役所HPをはじめ、ケーブルテレビや学校HP・下野新聞などでも告知しましたが、参加者が集まってくれるのか不安でした。
今年度は、チラシの作成や自治会回覧版の利用など、より多くの方に伝えられる方法を考案したいと思います。

良かった点は、参加者の皆さんに満足していただいたことです。
事後アンケートも実施しましたが、「継続して参加したい」という声や「この取り組みをもっと多くの市民に広げたい」という声もいただくことができました。

 これからの展望

今年度は、太平山林道整備の次のステップとしての緑化活動や地域在来種の保存などに発展させ、より多くの市民と繋がりたいと考えています。

また、太平山内に限らずに、様々な地域の課題についてリサーチしています。
市民へのヒアリングでは放置竹林や希少生物保護などの声を聞く機会が増えました。
市民の皆様とより協働して取り組めるように、イベント以外にも繋がる方法を模索しています。

この団体や事業に関する質疑応答コーナー

この活動に寄せられたご意見・ご質問に対する回答は以下のとおりです。

【質問】私どもは太平山県立自然公園で少なくなった山百合を植えて増やす活動を行っております。
令和元年11月10日に山百合の球根を30個植えましが現在、4本しか見当たりません。
人間の仕業か動物(イノシシ、サル)なのか分かりません。おそらくイノシシが食べたと思われます。
獣害対策について良い方法がありましたら教えてください。

【回答】学校敷地内にも数年前にはヤマユリが見られましたが、近年は確認できておりません。同時にイノシシの出没が相次いでいることから、おそらくイノシシによる被害と考えています。基本的防除は防護柵ですが、費用や維持管理など様々な課題があるかと思います。増殖のための保全区域を決めてスポット的な防除をしてみるのが良いかと思います。ただ、野生種ユリの場合、腐敗菌(フザリウム菌)による球根の腐敗という可能性もあります。ヤマユリは冷涼な気候で育つものが多いため、温暖化に伴って腐敗が進み、一気に生息域が減少しているという報告もあります。

【質問】基本的には山百合を種から育てています。花が咲くくらいに育てるには5年くらいかかります。
大きい球根を植えたいのですが数量が足りません。鱗片差しの方法があるそうですが自分で植え付けをしたことがないので教えてください。


【回答】ユリの鱗片差しを学校で行ったことがないため、ぜひ研究してみたいと思います。文献調査してみましたが、やはり温度管理(20℃くらいが適温)と消毒などが必要のようで、差し床(バーミキュライト)もユリによって合う合わないがあるようです。上手くいけば、実生よりも短期間で大量の花を咲かせられるようです。

【質問】・継続して参加したい等の声が上がるなか、広報について工夫していくものとおもいます。高校生ならではの広報の工夫を考えていれば、(またはこうすれば良かったなど)ありましたら教えてください。

【回答】現状は、協働活動を実施するごとに募集や報告などの広報活動を行っています。今後は、市民普請に関するパンフレットの作成と配布、PR動画の作成を行い、より多くの市民・関係者に私たちの活動を伝えて、巻き込んでいきたいと考えています。

【意見・感想】地に足の着いた活動の様子が伝わってきました。セルフビルドは自助・共助の精神でもあり、今後の地域活動の中心となる思想だと思います。さらなる活動の発展を期待します。

【回答】SDGsの達成に向けて、「誰でも、どこでもできる」インフラ整備であると考え、高校生主体の地域づくりとして発展させていきたいと思います。現代の道普請として、中山間地や発展途上国の支援にも繋げられればと考えています。

【質問】生徒さん以外の各々の参加者数、市民等の種別など差しさわりない程度で教えてください。

【回答】昨年実施した道普請イベントの参加者は、一般市民36名(大人17名、高校生12名、中学生4名、子供3名)、NPO3名の39名です。また、令和2年11月7日に実施した協働活動では、一般市民26名(大人6名、高校生10名、中学生8名、子供2名)にご参加いただきました。夢ファーレ助成以前を含めると、行政関係や地域の小学生向けのイベントも実施しており、延べ130名程度の方と林道整備等の地域づくり活動を行っています。・私どもは太平山県立自然公園で少なくなった山百合を植えて増やす活動を行っております。

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