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平成30年度 広島平和記念式典中学生派遣活動報告

印刷 大きく印刷 更新日:2018年10月22日更新
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広島平和記念式典へ中学生28人を派遣しました

 非核平和事業の一環として、次世代を担う中学生に戦争の悲惨さや平和の尊さを再認識してもらうため、市立中学校の代表生徒を広島へ派遣し、広島平和記念式典への参列をはじめ、広島平和記念資料館の見学や被爆体験講話学習等を行いました。
 
【派遣期間】 平成30年8月5日(日曜日)~8月7日(火曜日)
【派遣団員】 団  長:栃木西中学校長
        団  員:市立中学校(全14校)の代表生徒 各校2人 計28人
        随行者:市職員(総務課、学校教育課、健康増進課)   4人

集合写真 献花

1日目:8月5日 広島平和記念公園、広島平和記念資料館の見学

広島平和記念公園

 広島市に到着後、翌日に平和記念式典開催を控え、関係者や観光客で賑わう広島平和記念公園を見学しました。ガイドさんの説明を受けながらユネスコの世界文化遺産に登録されている原爆ドームや原爆供養塔、平和の灯等を巡り、実物を目の当たりにすることで広島を訪れているという実感が改めて湧き上がりました。

記念公園見学1 記念公園見学2

広島平和記念資料館

 公園を巡った後、広島平和記念資料館を見学しました。資料館には本館と東館があり、本館は工事中のため、東館のみの見学となりましたが、原子爆弾による被害の凄まじさを多数の展示から感じ取ることができました。

資料館1 資料館2

【団員報告より】

「広島平和記念資料館を見学して心に残ったことは原爆の恐ろしさです。広島に原爆が落とされ、多くの人が亡くなったり、生き残っても放射線を浴び、後遺障がいになってしまったりしました。また、爆風によって建物が押しつぶされるなどの被害を受け、市内の全域の建物の90%以上が破壊、または焼失してしまいました。その他にも熱線や高熱火災による被害も大きく、着物の柄が皮膚に焼きついた女性や焼け焦げた電車の写真を見ましたが、とても心が痛みました。」

「資料館を見学し、「忘れてはいけない」と強く感じました。跡形もなく焼き尽くされた街や全身にひどい火傷を負っている人、壁に人の影が焼き付いている写真。どれも、見ているだけで胸が苦しくなるような写真ばかりでした。この写真を撮った人は、目の前で苦しんでいる人達をどのような気持ちで撮っていたのかと思いました。今、私達が原爆の恐ろしさ、平和の大切さを伝えていく必要があります。私は、この経験を経て、感じた事、学んだ事を伝えていく使命を果たしていきたいです。」

2日目:8月6日 平和記念式典参列、宮島・厳島神社の見学、元安川灯ろう流し体験

広島平和記念式典参列

 広島に原子爆弾が投下された73年前と同じ晴天の下、広島平和記念式典に参列しました。世界中からの参列者とともに原爆犠牲者に追悼の意を捧げ、平和の実現を誓いました。式典後には献花を行い、祈りを捧げました。

記念式典1 記念式典2 

記念式典3 記念式典4

団員報告より

「式典には日本人だけではなく、外国の方も多く参加しており、73年前にこの場所で起きたことがどれほどのことだったのかを思い知らされたような気がしました。」

「再びあのような惨事が起きることがないように、今回広島で学んだことを生かし、僕も世界平和に貢献したいです。」

「広島市内の子ども代表による平和への誓いの言葉の中に、「苦しみや憎しみを乗り越え、平和な未来をつくろうと懸命に生きてきた広島の人々。」という言葉がありました。もし自分が、原子爆弾が投下された場所に居て、大切な人を亡くしてしまったら、苦しすぎて生きていく自信をなくしてしまいます。しかし、広島の方々は、決してあきらめようとせず、逆に平和な未来のために行動していることが、本当にすごいと思います。」

宮島・厳島神社の見学

 平和記念式典への参列後、宮島を訪れ、ユネスコの世界文化遺産に登録されている厳島神社を見学しました。800年以上前に建てられた建造物群の美しさやその歴史・文化的な価値に深く感銘を受けました。

宮島1 宮島2

団員報告より

「宮島で見た大鳥居は、写真で見たものよりもはるかに大きく感じました。また、厳島神社の外観は竜宮城を思わせるとガイドさんが説明してくれて、まさにそのとおりと思いました。私は、海に浮かんでいるように見えるときに行きたかったのですが、潮が満ちているときでは見ることができない、神殿を支えている柱や神殿の下の砂浜などを見ることができてうれしかったです。」

「宮島・厳島神社を見学して学んだことは、厳島神社のような文化財として貴重なものも、どこの町にもあるようなありふれたものであっても、地域の宝として大切にするということです。宮島の人たちは、世界遺産や国宝である厳島神社はもちろんのこと、島にあるすべてのものを大切にしていました。僕も、見習ってふるさと栃木市を大切にしていきたいです。」

元安川灯ろう流し体験

 2日目の最後に広島市内の元安川で灯ろう流しを行いました。この灯ろう流しは昭和23年頃から親族や知人を原爆で失った方々が供養のために始めたと言われています。昼間の広島平和記念式典とは違う雰囲気の中、平和への願いを込めて灯ろうを流しました。

灯ろう流し1 灯ろう流し2

団員報告より

「初めて体験した灯ろう流し。昼間の雲一つない晴天とは風景も変わり、対岸には原爆ドームが厳かな雰囲気でライトアップされていました。元安川には幅広い年代の方や外国の方などが大勢いて、皆、亡くなった方への鎮魂の祈りを捧げたり、平和への願いを込めてこの場所を訪れているのだと感じました。」

「僕の心に残ったのは、日本人だけでなく、たくさんの外国人も灯ろう流しに参加していたことです。平和を願う思いは日本人だけのものでなく、世界の人々に共通するものでもあると実感しました。同時に、唯一の戦争被爆国として、核兵器の恐ろしさ、平和の尊さを世界に伝え続けていかなければと思いました。」

3日目:8月7日 原爆の子の像への千羽鶴奉納、被爆体験講話

原爆の子の像への千羽鶴奉納

 原爆の子の像は、年間を通してたくさんの千羽鶴が捧げられていることから、別名「千羽鶴の塔」とも呼ばれています。千羽鶴は日本国内をはじめ、世界各国からも奉納されています。各中学校で作成した千羽鶴ととちぎ平和展等で市民の皆さんに作っていただいた折り鶴で作成した千羽鶴を平和への願いを込めて奉納しました。千羽鶴の作製にご協力いただき、ありがとうございました。

千羽鶴奉納1 千羽鶴奉納2

団員報告より

「僕が手にしていた千羽鶴は各クラスの生徒が教え合いながら、そして心を込めて作ったものです。原爆の子の像のまわりにある千羽鶴奉納所に向かうと、外国からの千羽鶴や、千羽鶴で絵や文字を作っているものなどがありました。日本だけでなく色んな国の人々が心を込めて作った鶴を見て、僕は団結することの素晴らしさを学びました。」

「驚いたことは、千羽鶴の数の多さです。僕の想像以上でした。これほどまで多くの方々から千羽鶴が送られていることを改めて実感しました。また、千羽鶴を奉納する際、その箱には、折り鶴で、「世界平和」や「絆」など、平和に関するような様々な文字がつくられていました。そこからは、多くの人々の平和への願いがとても伝わってきました。」

被爆体験講話:講師 末岡昇氏

 派遣の最終日に被爆体験をされた方から講話を聞きました。実際に体験された方の言葉は一言一言に重みがあり、原爆の恐ろしさ、平和の大切さを教えていただきました。

被爆体験講話1 被爆体験講話2

団員報告より

「一発の爆弾で、一つの町が壊れる。」この言葉から、原爆がもたらす被害とその悲惨さがとても伝わってきます。たった一発の原子爆弾であれほどまでの死者を出し、都市を破壊する力を持つ、こんなものが世の中に存在してはいけないと思うほど、恐怖が伝わってきました。」

「僕は今回聞いた話を家族や学校の友達に伝え、多くの人に知ってもらいたいです。そうすることによって戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさ、平和であることがどれだけすばらしい事かを感じてもらえると思います。」

「一発の原子爆弾によって14万人の人が亡くなりました。みんな「死」というものに無感情になってしまったとおっしゃっていました。核兵器は体だけではなく、心も殺してしまう恐ろしいものなんだとあらためて感じました。」

派遣期間全体の感想

団員報告より 

「私たちは、広島派遣の三日間で、多くの事を学ぶことができました。
 73年前、日本でこんなにも恐ろしいことが起きていたなんて、思いもよらないことでした。私達28人は、栃木市の平和大使として戦争の悲惨さ、残酷さ、そして大切な人達がいなくなってしまう孤独さ。それとともに、家族や友達がいて、笑顔で過ごせる幸せな日々のありがたさを感じることができました。
  そして私達は、目で見て、耳で聞いて、肌で感じてきたことを学校のみんなや、多くの人々に伝えていかなくてはなりません。今もまだ心に深い傷を負っている人がいること、二度と核兵器を使ってはいけないこと、戦争はだれも幸せにならないことなど、これからもたくさんのことを伝えていけるよう、頑張ります。

おわりに1 おわりに2

報告会について

 8月24日、今回の派遣で学んだことや感じたことを班別に発表する報告会を開催しました。今後、派遣団員の生徒の皆さんには、派遣活動について、各校の学校祭などで発表し、全校生徒に広めていただくことになっています。

報告会班別原稿一覧

01_はじめに [PDFファイル/437KB]
02_広島への思い・平和記念資料館の見学 [PDFファイル/625KB]
03_平和記念式典への参加 [PDFファイル/607KB]
04_宮島・厳島神社の見学、千羽鶴の奉納 [PDFファイル/702KB]
05_元安川灯ろう流しの体験 [PDFファイル/655KB]
06_被爆体験講話学習 [PDFファイル/592KB]
07_おわりに [PDFファイル/453KB]

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