浄化槽は微生物の活動により水をきれいにする装置です。
適切に使用及び維持管理されないと微生物が十分に活動できず、浄化されない汚水が放流されて周辺環境を汚し、悪臭が発生する原因となります。
不明なことは専門の業者に相談するなど、日頃から正しく機能するよう心がけてしてください。
浄化槽法では浄化槽管理者(設置者)に以下のような義務を課しており、守らなければ法令で罰せられる場合があります。なによりも、浄化槽の機能を活かすために必要不可欠です。
浄化槽の機械の点検、修理や消毒剤の補給、清掃時期の判定などを行います。
これには専門的な知識が必要ですが、県知事の登録を受けた「浄化槽保守点検業者」に委託することができますので、人槽や処理方式によって年に定められている回数以上を実施してください。
栃木県浄化槽保守点検登録業者名簿(外部リンク:栃木県環境保全課ホームページ内)<外部リンク>
浄化槽内にたまった汚泥などを抜き取り、機械類を洗浄したり掃除する作業です。
市長の許可を受けた「浄化槽清掃業者」に委託して、年1回以上(全ばっ気型浄化槽は半年に1回以上)実施してください。
浄化槽法に定められた浄化槽の設置状況、処理水の水質などの検査です。
法定検査についての問い合わせ先
栃木県指定検査機関(一社)栃木県浄化槽協会<外部リンク>Tel 028-633-1650
(参考)法第7条検査は「浄化槽工事業者」、法第11条検査は「浄化槽保守点検業者」に手続きを委託できます。
法律に定められたことを実施するのはもちろんですが、普段のちょっとした使い方も浄化槽の能力に影響します。
せっかくお金をかけて設置した浄化槽ですから、日頃から注意を払い長く大切に使ってあげてください。
洗浄水は1人1日につき50Lが目安です。小用の場合にもきちんと流すよう心がけてください。
水に溶けない新聞紙・タバコの吸いがら・紙おむつなどの異物は、絶対に浄化槽に流さないでください。
また、台所からの野菜くずや天ぷら油なども浄化槽に流さないでください。
便器の掃除は、水、ぬるま湯で洗い、塩酸・洗剤(酸性・アルカリ性)・殺虫剤・消毒薬・石けん液などを使用しないでください。浄化槽内にこれらのものが流れ込むと、浄化するのに必要な微生物が死んでいしまいます。
単独処理浄化槽は、し尿以外を処理できませんので、雑排水は流さないでください。
合併処理浄化槽は、し尿と家庭用雑排水をあわせて処理できすが、工場廃水などは処理できません。
また、雨水を入れると降雨時に浄化槽の容量を超えてしまい汚水が溢れ出る原因となりますので、雨水は流さないでください。
ブロワは、好気性微生物を繁殖させるために空気を送り込んで水をかきまわす重要な役割をもちます。
空気が送られないと微生物が死んでしまい、汚水が流れ出たり悪臭が発生する原因となります。
常に保守点検や清掃がしやすいようにしておきましょう。
周囲にものがあると、思わぬうちに通気口がふさがって浄化槽が機能しなくなることがあります。
また、薬剤補充や清掃など管理が適切にできるよう、浄化槽の上に車庫などを作らないでください。
消毒の薬剤は大腸菌や病原菌を消毒する重要な役割をもちます。薬剤は定期的に補充して常に消毒されるようにしてください。
薬剤補充の時期の判断や実施については、保守点検業の一環として保守点検業者に委託するのが一般的です。
ご自分の浄化槽から流れる水が、どこへ流れていくかご存知ですか。
ときどきは、ご自分の浄化槽で処理された水が流れ出る場所へ行って、放流水の様子(色・臭気・浮遊物等の有無)を調べてみましょう。