令和7年8月31日(日曜日)、今年は『吹上ミニミニ万博2025』と称して、「世界の人と繋がること」を目標に開催してきました同イベントも、いよいよ最終回。
最後を飾ったのは、アフリカ大陸西部の国「ギニア共和国」です。
講師は、ギニア出身のジェンベ奏者「バズーカ・モモ」こと「モモ・ケイタ」さんです。
アフリカといえば、言わずと知れた『リズム天国』
今回は贅沢に一人一台「ジェンベ」をお借りして、基本リズムを丁寧に教えていただきました。
また「ジェンベ」の作り方や、山羊や鹿、牛など、用いる素材により異なる特徴についても色々と教えていただきました。「ジェンベ」は皮を張る強さで、音色が変わります。かつては山羊の皮を細く切った紐で皮を張っていましたが、現在では登山ロープを用い、より強く高度な張り方が出来るようになったそうです。ギニアでは8歳の子どもが自分の「ジェンベ」に皮を張ると聞いて、参加者は驚いていました。
基本リズムを学んだ後はバチを用いる楽器に持ち換え、3パートに分かれました。異なるリズムを重ねることで、更に大きなリズムの流れを作れることを実体験。最後の一音がバシッときまると、参加者からは自然に笑顔があふれました。
その後、モモさんが持ってきてくれた、ギニアの様々な楽器を体験しました。
沢山の打楽器の他、ハープの様な澄んだ音色が素敵な弦楽器「コラ」や「ン・ゴニ」、木琴のような「バラフォン」、木の実やビーズの「サラサラ」「カラカラ」と音が心地よいリズム楽器等、参加者は、それぞれ気になった楽器を手に取り、実際に音を出してその音色と特徴を楽しみました。
私が特に気に入ったのは、素朴ながらとても深みのある音色が魅力である、ギニアの横笛「フーレ」。
吹き方は日本の横笛に近いのですが、音程を変えるための指孔が3つしか開いていません。何とか音を出すことが出来たので、簡単なメロディを奏でてみましたが、モモさんの話だと「吹きながら声を被せ、名前や言葉を同時に発する」テクニックもあるそうです。
沢山の楽器を体験した後は、ユカさんが用意してくださった「ギニアのお菓子とジュース」をいただきながら、ギニアのお話を色々と伺いました。
「カニャ」というのは、ピーナッツを用いたギニアの定番おやつです。(個人的なイメージですが「ピーナッツの落雁」。口内の水分を取られてしまうため、コーヒーやお茶と相性が良い美味しいお菓子でした)。ギニアでは、お店というよりも、通りで籠を抱えた売り子さんにお金を払うと、その場で割って出してくれるスタイルなのだそうです。
また「ビサップ」というのはハイビスカスのジュースで、鮮やかな発色と爽やかな酸味が特徴の飲物です。
ユカさんのお話では、ギニアの人々は甘い物や辛い物の味付けが日本人からすると極端で、コーヒー牛乳といえばコーヒーにたっぷりの練乳を加えたイメージ、また使う香辛料は「ハバネロ」で、おそろしく辛いため、初めてモモさんの実家を訪問した時は、辛くて食べられなかったとのことでした。
日本人は「アフリカ」と聞くと、暑くて野生動物が近くにいるイメージを持つ方が多いですが、実際には地域によって様々で、実際にモモさんも日本に来て初めてライオンや象を見たとのこと。
またギニアはとても雨が多い地域で「アフリカの水の城」といわれており、この地に降った雨が川となって、周囲の国々に水をもたらしているそうです。特に雨季の降水量はすさまじく、「日本の雨は優しい」とモモさんは感じるのだとか。
それから、ギニアは確かに暑いけれども、海や川が良い風を運んでくれるため、湿度の高い日本の夏よりも過ごしやすいのだそうです。
さらに参加者からは、「学校や子育て」についての質問もありました。
モモさんのご両親は学校の先生だったこともあり、ギニアの子どもたちのお話を聞くことが出来ました。またギニアでは「親の言うことは守る」といった考えが強いこと、さらに子ども達は、自ら親のお手伝いをするのが普通だというお話も聞きました。
モモさんは言います。「ジェンベやアフリカのリズムに触れると、人は無性に太鼓を叩きたくなる。太鼓がない時は、自分の腕や足を楽器に見立てて、お風呂場でも叩いてしまうようになる」と。
実際、講座終了後も、体の中にリズムが宿った参加者は多かったようです。
こうして、楽しくも内容の濃い時間は、あっという間に終了しました。
受講後のアンケートからは、「みんなで楽器を演奏したこと」「優しくジェンベを教えてもらえたこと」や「リズムを学べたこと」「色々な楽器に触れたこと」「ギニアの事を知ることが出来たこと」等が良かったとのご意見を頂いたほか、「もっとギニアの事を知りたくなった」「もっと難しいリズムにも挑戦してみたい」といった意欲的なご意見もいただくことが出来ました。
今回「吹上ミニミニ万博2025」と称して、世界の文化を中心に講座を開催しましたが、沢山の参加者から「もっと色々な国の、色々な事を知りたい、体験したい」というご要望をいただくことが出来ました。
また魅力的な企画を考えたいと思いますので、その際は是非ご参加ください。
(写真は参加者、および保護者の了解を得たうえで撮影・掲載しています)