江戸時代中後期に活躍し、美人画の大家として知られる浮世絵師・喜多川歌麿(?~1806)。歌麿は狂歌を通じて栃木の豪商たちと親交を結び、何度か栃木を訪れたと考えられています。自らも筆綾丸という狂歌名を持つ歌麿の作品には、栃木の狂歌師たちが狂歌を寄せたものが散見されます。なかでも栃木の豪商、釜喜の4代目善野喜兵衛(狂歌名・通用亭徳成)と親交が深く、肉筆画大作《雪月花》(《深川の雪》岡田美術館蔵、《品川の月》フリーア美術館蔵、《吉原の花》ワズワース・アセーニアム美術館蔵)は、その叔父にあたる善野伊兵衛の依頼で制作されたと伝えられています。また、近年になって栃木周辺で発見された歌麿の肉筆画《女達磨図》《鍾馗図》《三福神の相撲図》(いずれも栃木市蔵)も栃木と歌麿の関係を物語っています。歌麿には、多くの弟子がいましたが、そのうちの一人、二代歌麿も栃木を訪れたことが知られています。本展では、《女達磨図》《鍾馗図》《三福神の相撲図》や、栃木の狂歌師と関わりのある作品などから、歌麿と栃木の関わりを展観するとともに、歌麿の代表作により画業を振り返ります。また、歌麿の弟子たちの作品とともに、歌麿一門の華やかな美の世界をご覧いただければ幸いです。また、歌麿と栃木を結ぶきっかけとなった、栃木の狂歌文化の隆盛を示す資料もあわせてご紹介します。
平成27年10月3日(土曜日)~11月29日(日曜日)
※11月2日、11月4日、11月9日、11月10日、11月16日は開館
栃木市、栃木市教育委員会、とちぎ蔵の街美術館
朝日新聞宇都宮総局、産経新聞社宇都宮支局、下野新聞社、東京新聞宇都宮支局、日本経済新聞社宇都宮支局、毎日新聞社宇都宮支局、読売新聞宇都宮支局、NHK宇都宮放送局、株式会社エフエム栃木、栃木ケーブルテレビ、株式会社とちぎテレビ、株式会社栃木放送
「歌麿の生きた時代―宝暦~文化期の江戸文化」
「浮世絵の摺りの技法で、ブックカバーをつくろう!」
多色摺の浮世絵版画・錦絵は、色別に彫られた版木を用い、いくつもの版を重ねて摺ることで作品が完成します。
ワークショップでは、浮世絵の技法についての説明のあと、実際に摺りの技法を体験し、ブックカバーを作ります。
10月12日(月曜日・祝日)、10月17日(土曜日)、11月7日(土曜日)、11月22日(日曜日)
各日、午後2時から
観覧券が必要です。
出品リストは喜多川歌麿展[PDFファイル/209KB]