「NPO(Non Profit Organization)」とは、ボランティア活動などの社会貢献活動を行う営利を目的としない団体の総称です。日本語では「民間非営利組織」と訳されています。広い意味では、社団法人や財団法人、中間法人などの非営利団体のことをいいます。狭い意味では、ボランティア団体などの住民のみなさんが社会貢献活動を行う民間の団体のことをいいます。
NPOの活動そのものは法人格の有無を問わずできるものであり、法人格を持つ団体と持たない団体との間に優劣はありませんが、『特定非営利活動法人(NPO法人)』として認証されると、銀行口座の開設や事務所の賃貸、不動産登記などを団体名義で行うことができます。
NPO法人とは、平成10年(1998年)に施行された特定非営利活動促進法(NPO法)に基づき、所轄庁(※1)より認証(※2)され登記を済ませた団体を『特定非営利活動法人(NPO法人)』といいます。
NPO法人の制度では、各法人が社会の様々な分野で自らの特性・自主性を発揮できるように、比較的安易な手続きで法人格を取得できるようになっています。
※1 所轄庁
NPO法人に関する諸手続きの窓口です。原則として法人の事務所所在地となる都道府県が所轄庁となりますが、栃木市では、栃木県よりNPO法人に関する事務の権限移譲を受けています。法人の事務所を栃木市のみに置く場合には、NPO法人に関する諸手続きを栃木市役所で行うことができます。2つ以上の都道府県にまたがる場合は、NPO法人の主たる事務所の所在地の都道府県が所轄庁となります。
※2 認証
NPO法人となる団体が、法令で定められた要件を満たしているかを所轄庁が確認し証明することです。その法人の活動内容を行政が保証する(お墨付きを与える)わけではありません。
特定非営利活動法人(NPO法人)制度では、所轄庁の関与は最小限にとどめられていますが、その代わりに法人の定款や毎年の事業報告書、活動計算書などを広く市民に公開し、法人の公益性、信頼性を市民が確認・監視する制度になっています。
栃木市では、市内に事務所があるNPO法人のこれらの情報について、本庁地域振興部地域政策課において閲覧または謄写することができます。
住民による自発的・自立的な社会参加型の意識が高まる中、市民活動推進のための立法措置の必要性が広く議論されるようになりました。
阪神・淡路大震災が起きたとき、市民活動団体やボランティアによる支援活動が救済と復興に大きな役割を果たしたことから、社会における市民活動やボランティア活動の重要性が広く国民に認識され、市民活動推進のための立法措置として平成10年に特定非営利活動促進法(NPO法)が施行され、特定非営利活動法人(NPO法人)制度が創設されました。
NPO法人になるためには、次のような要件を満たすことが必要です。
別表
法人格を取得すると、契約や所有の主体になれるなどのメリットがありますが、法人格を取得することにより、法令に従った事務手続きと法人としての納税の義務が生じます。年1回以上の総会や毎年度の報告書類の提出などの事務処理のため、団体管理コストが増えることもあります。
できること・可能性
注意点
NPO法人を設立させるためには、設立のための総会を開催し、法律に定められた書類を添付した設立申請書を栃木市役所 地域政策課に提出し、NPO法人設立の認証終了後、法務局に登記する(登記料は無料)ことによって法人として成立することになります。
申請書の添付書類
役員
NPO法人には、理事を3人以上及び監事を1人以上置かなければなりません。理事は法人を代表し、その過半数をもって業務を決定します。
役員は、親族の数など一定の制限が設けられています。
総会
年1回以上開催しなければなりません。
その他の事業
特定非営利活動に支障がない範囲で、本来の活動を支えるためにその他の事業を行うことができます。(バザー、建物の有料貸出し等)利益は特定非営利活動に係る事業に使用しなくてはなりません。
また、会計は特定非営利活動に係る会計と別にしなければなりません。
会計の原則
正規の簿記の原則に従って正しく処理を行わなければなりません。
監督
法令違反などがあった場合、NPO法人に対して報告要請、検査実施、改善措置要求、認証の取消しを行うことがあります。
情報公開
毎年提出する事業報告書等、定款、最新の役員名簿などは、請求があればいつでも公開できるようにしておかなければなりません。
また、設立または合併後間もない法人で事業報告書等を作成していない場合における開示書類については、事業計画書及び活動予算書を公開できるようにしておくことが義務付けられています。
毎年提出する書類
法人は、次の書類を毎年、事業年度終了後3か月以内に所轄庁へ提出しなければなりません。
※閲覧(謄写)用とあわせて、それぞれ2部提出します。
定款変更
定款を変更しようとする場合、変更事項について社員総会で議決された後、栃木市による認証が必要です。また、所轄庁の変更を伴わない事務所の所在地の変更、資産に関する事項及び公告の方法、役員の定数、会計に関する事項、事業年度、解散に係る事項(残余財産の帰属すべき者に係るものを除く)については、定款変更の認証は必要ありませんが、変更後に必要書類を添付して栃木市へ届け出ることが必要です。
役員変更
役員に関することで変更等があったときは、遅滞なく「役員の変更等届出書」と必要書類を添付して栃木市に提出しなければなりません。
変更等の届出が必要な事項は、新任、再任、任期満了、死亡、辞任、解任、住所または居所の変更。改姓または改名の場合です。
※任期満了と同時に再任された場合も栃木市への届出は必要です。
解散・合併
NPO法人は、総会での議決・栃木市での認証等の一定の手続きを経て、解散または他の特定非営利活動法人との合併を行うことができます。
NPO法人が解散する場合、定款で定めたものに帰属します(法律で一定の制限があります)。
※残余財産を分配することはできません。
NPO法人にかかる税金には、いろいろな種類があります。
法人税(国税)・事業税(県税)
法人税法に規定されている「収益事業」に該当する所得に対して課税されます。
法人税法に規定されている収益事業
物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、技芸の教授または学力の教授を行う事業、駐車場業、信用保証業、無体財産権の提供等を行う事業、労働者派遣業
法人住民税法人割(県税・市税)
法人税の確定申告における法人税額に対して課税されます。
法人住民税均等割(県税・市税)
所得の有無にかかわらず原則として課税されます。
※収益事業が赤字でも課税されます。
印紙税(国税)
NPO法人が発行する領収書・受領書に印紙は不要となりますが、契約書には印紙が必要です。
登録免許税(国税)
法人登記に関する登録免許税は免除されます。
不動産取得税・自動車取得税(県税)
法人設立の日以降3年以内の無償による不動産・自動車の取得に対して課税されますが、免除されることがあります。ただし、県税事務所への申請が必要です。
税金に関する問合せ先は次のとおりです。
法人税等の国税について
栃木税務署 栃木市本町17-7 Tel 0282-22-0885
法人県民税、事業税等の県税について
栃木県税事務所 栃木市神田町6-6(下都賀庁舎内) Tel 0282-23-3411
法人市民税等の市税について
栃木市役所本庁舎市民税課 栃木市万町9-25 Tel 0282-21-2265
※NPO法人設立後は、栃木税務署、栃木県税事務所及び栃木市役所へ届け出てください。
行政の監督
栃木市では、特定非営利活動促進法に基づいて、報告要請、検査実施、改善措置要求、設立認証の取消しを行うことがあります。
報告及び検査(法第441条第1項)
所轄庁(権限移譲市)は、法人が法令、法令に基づいてする行政庁の処分や定款に違反する疑いがあると認められる相当な理由があるときは、その法人に対して、業務や財産の状況に関して報告を求め、または、その法人の事務所青の他の施設に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査することがあります。
改善命令(法第42条)
所轄庁(権限移譲市)は、法人が次の項目に該当すると認めるときは、その法人に対し、期限を決めて、その改善のために必要な措置を採るように命令することができます。
設立認証の取消し(法第13条第3項、第43条)
所轄庁(権限移譲市)は、法人が次の項目に該当した場合は、法人の設立の認証を取り消すことがあります。
地域政策課栃木公民館係へご相談・お問合せください。
また、法人設立を考えている方は、設立総会を開催される前にお話をお聞かせください。
なお、ご相談にお越しいただく際は、事前にご連絡くださるようお願いいたします。